沖縄県サッカー協会医科学委員会

知っていると役に立つ応急処置

沖縄県サッカー協会医科学委員

日本体育協会公認アスレティックトレーナー

理学療法士 伊良波知子

沖縄県リハビリテーション福祉学院

応急処置とは?

・急病あるいは外傷を受けたときのさしあたっての手当て(広辞苑)

・急性の病変や外傷などの傷病者に対して、医師、看護師、救急救命士が行うもの(外傷学)

・救急隊員は傷病者が医師の管理下の置かれるまでの間において、緊急止むを得ないものとして、     応急の手当てを行うこと(消防法)

私たちにできる

基本は

  1. あわてず、騒がず 
  2. 何が起こっているの、落ち着いて適切に確認する

  3. すぐに病院に行くのか? 後でもいいのか? 行かなくても大丈夫か?

まずは命を救うことが最優先!目の前にある現象に素早く対処する

観察事項

  1. 顔貌(表情や顔色)
  2. 意識の状態(言動、呼びかけや刺激に対する反応、瞳孔)
  3. 出血(部位、血の色、量)
  4. 脈拍の状態(脈の有無、強さ、規則性、速さ)
  5. 呼吸の状態(胸腹部の動き、口や鼻からの空気の動き)
  6. 皮膚の状態(色や温度、傷口、発汗、嘔吐物などの有無や性状)
  7. 四肢の変形や運動の状態
  8. 周囲の状況(関連するあたりの状況)

できることは何か?  できるだけ、2人以上で対応しよう!

    1. 全体を見る人
    2. 救急車を呼ぶ人
    3. 急病・外傷者に対応する人(BLSBasic Life Support)

                                   器具を使わずに行う蘇生処置

観察・気道確保・人工呼吸・心臓マッサージ

  1. 整形外科的疾患(外傷・ケガ)
  2. 捻挫、骨折 急がなければならないものと慌てなくていいものがあります。

              ある ⇒ それ以上動かさずに病院へ、できるだけ副木を使って固定!

    変形は?

    ない ⇒ 安静にしてRICE処置

                痛みが続くようであればたかが捻挫でも病院へ

      肉ばなれ、筋挫傷、筋断裂、腱断裂

     動かすことができるかどうか  ⇒ 無理に動かす必要はない

     拍動性の痛みがあるかどうか ⇒ 痛みとともに腫れが増える場合は、血管が切れているので

    早く受診!!

       RICE処置とは?

         Rest 安静:動かさない、楽な位置にする

        Ice  冷却:冷やす 氷水やアイスパックなどを利用する 市販のコールドスプレーは十分冷やせない!

         Compression 圧迫:腫れは出さないようにすることが大切!腫れる場所が無いように押し込む

                Elevation 挙上:心臓より高くする

     

  3. 外科的な外傷
  4. 打撲 どこを打っているのか? 基本的には受診を勧めます。

       頭部 ⇒ 意識があるか?    ある;名前や場所を言わせる。

    ない;救急車 場合によってはBLSが必要

    吐き気はないか?

    顔面 ⇒ 目の周りが黒くなっていないか?眼球に痛みはないか?

    頸部 ⇒ 首の周りのケガが疑われる時はむやみに動かさない。

       

       背部 ⇒ 楽な姿勢をとらせる

       腹部 ⇒ 激しい腹痛や顔面蒼白状態、嘔吐があれば即救急車。拍動痛も危険サイン!

       骨盤 ⇒ 楽な姿勢をとらせる。

       陰部 ⇒ 冷たいタオルで冷やして安静に!内出血の有無、全身状態の確認を!

              痛みや腫れが強ければ、泌尿器科を受診 → 骨盤骨折の疑いもある

    擦過傷(擦り傷)・裂傷(切り傷) まずは洗うこと!傷口の状態を確認します。

    水道水で洗い流して、その後は清潔なガーゼで覆い包帯で圧迫します。

     裂傷(パックリ開いた傷) ⇒ 傷口が大きいか、深いようなら受診して縫った方がきれいです。

                        頭やまぶたは切れやすく、思ったよりも出血します。

  5. 歯科的な外傷
  6. 歯が欠けた、折れた、抜けた・口の中が血だらけ 唇と歯ぐきのケガ

    口の周りは出血が多く見える ⇒ 唾液と混ざって多く見えるだけ。びっくりして慌てない。

       抜けた歯は拾う     ⇒ 水道水でサッと洗う。ゴシゴシ洗ってヌルヌルを取ってはダメ。

                        洗うのは30秒以内。口の中か牛乳ビンで保存して歯医者さんへ

  7. 内科的な病変

脱水、ぐったりしている、冷や汗  熱中症

  異常な汗かきも要注意!

   ⇒ 衣服を脱がせて、汗をふき、涼しい場所でコップ1杯に1gの食塩を入れて飲ませる

      水分は飲みやすいものなら何でもいい。スポーツドリンクは半分に薄めるのが原則。

  息ができない、手足がしびれる、発汗 ⇒ 過喚起(過呼吸)症候群

  試合前など緊張感が高くなったときに、神経質な若い女性は要注意!

   ⇒ 興奮状態にあることが多いので、ゆったりとさせる。小さな呼吸も有効。

  

  1. その他

突然の激しい胸痛と呼吸困難 ⇒ 自然気胸

  若い男性でやせ方の人に多い。咳をすると痛みや胸の締め付け感が強くなる。

   ⇒ 外科的処置を必要とすることが多いので、迷うことなく病院へ

 潜った後に耳がいたい、肺がいたい、関節が痛い ⇒ 潜水病 減圧症

 急激に水中から浮上してこなかったかの確認 ⇒ 専門の医療機関へ

                                但し、空輸には注意が必要

 ハブ咬傷

  沖縄の医療機関にはハブ血清を置いている所が多い ⇒ 早く病院へ

   できる処置としては、咬まれた所から心臓に近いほうを軽く縛る。

   傷から毒を搾り出しながら水で洗う。吸出しはあまり望ましくない。